DOAJ収録のための必要最低限の条件

申請できるジャーナルの種類

あらゆる言語で発行されたオープンアクセスジャーナルが申請可能です。

  • 申請するジャーナルは、現在刊行中で、学術研究を発表するジャーナルでなければなりません。
    • あらゆる研究分野のジャーナルの申請を受け付けます。
    • 年間5本以上の研究論文を掲載している必要があります。
    • ジャーナルの主な対象読者は研究者または実務家であることが必要です。
  • 新たに刊行されたジャーナル
    • 新たに刊行されたジャーナルは、DOAJへの申請前に1年以上の刊行の実績、もしくは少なくとも10本以上の論文を掲載していることが必要です。
    • これは、年間少なくとも5本の論文を掲載する、という必要条件に加え求められる条件です。

オープンアクセスの種類

  • DOAJでは、オープンアクセスジャーナルのみを受け付けています。
  • DOAJでは、オープンアクセスジャーナルを、学術著作物の著作権者が、オープンライセンス(クリエイティブ・コモンズまたはそれと同等のもの)を使用して他者に使用権を付与し、その著作物への即時の無料アクセスを可能にし、あらゆるユーザーが論文の全文を読むこと、ダウンロードすること、複製すること、配布すること、印刷すること、検索すること、または論文の全文にリンクすること、インデックス作成のためにクロールすること、それらをデータとしてソフトウェアに渡すこと、またはその他の合法的な目的で利用することを許可しているジャーナルと定義しています。
  • ジャーナルは、DOAJのオープンアクセスの定義を満たしていることを示すオープンアクセスステートメントを提示しなければなりません。
  • すべてのコンテンツの全文が、刊行と同時に、無料でオープンアクセスにされなければなりません。
    • エンバーゴ期間があってはなりません。
    • コンテンツを読むためにユーザー登録を必要とすることは受け入れられません。
    • ジャーナルの印刷版については、有料であっても構いません。

ジャーナルのウェブサイト

  • ジャーナルは、どこからでもアクセスできるジャーナル専用のURLとホームページを持つ必要があります。
  • ウェブサイトは、明確で閲覧しやすいものでなければなりません。
  • 「学術出版における透明性の原則とベストプラクティス」に記載されているガイドラインを遵守しなければなりません。
  • 各論文は、個別のフルテキスト論文として利用可能なものでなければなりません。
    • 論文ごとに固有のURLが必要です。
    • 最低でもHTMLまたはPDFで公開されている必要があります。
  • 押しつけがましい広告を含めるジャーナルは採択されません。広告に関するベストプラクティス推奨事項を参照ください。
  • DOAJは、各種インパクトファクターの利用を認めていません。しかし、クラリベイトが作成したインパクトファクターが唯一の公式なインパクトファクターであると認めます。ジャーナルは、他のサービスによる各種インパクトファクターや類似のランキングを表示してはなりません。
  • ウェブサイトは英語である必要はありません。多言語によるウェブサイトの場合は、提供される情報はすべての言語で同じである必要があります。

以下の情報がオンラインで入手でき、ジャーナルのホームページから容易にアクセスできることが必要です。

  • オープンアクセスポリシー
  • 目的と領域(Aims and scope)
  • 編集委員(全委員の所属機関も明記)
  • 投稿規定
  • 編集プロセス(ピアレビュー)
  • ライセンス(使用許諾条項)
  • 著作権条項
  • 著者から徴収される料金
    • 料金を徴収しない場合は、その旨を記載しなければなりません。
    • 投稿から出版まで、著者から徴収する可能性のある下記のようなすべての料金を含みます。
      • 投稿料(submission fees)
      • 編集料(editorial processing charges)
      • 論文掲載料(article processing charges)
      • ページチャージ(page charge)
      • カラー印刷の料金(colour charges)
    • 連絡先
      • 連絡先には、ジャーナル発行元の正式名称とジャーナル専用のメールアドレスを記載する必要があります。
      • 申請書におよびジャーナルのウェブサイトに記載されている国は、出版社(出版者)が登録され、事業活動を行っている国でなければなりません。

    ISSN

    • ジャーナルは、issn.orgで登録・承認されたISSN(国際標準逐次刊行物番号)を1つ以上有していなければなりません。
    • ISSNは、ウェブサイト上で表示する必要があります。
    • 申請書およびウェブサイトに記載されているジャーナル名は、issn.orgに記載されているものと一致している必要があります。

    ジャーナルの質の管理プロセス

    • ジャーナルには編集者と編集委員会が必要です。
      • 編集委員会がウェブサイトに掲載されていることが必要です。
      • すべての編集者と編集委員の名前と所属が記載されていなければなりません。
      • ジャーナルが学生団体によって運営されている場合は、少なくとも2名の委員が博士号またはそれに相当する資格を有する顧問委員会が設置されていなければなりません。
      • 編集委員会は、少なくとも5名で構成されることが必要です。編集委員会は、全員が同じ機関の出身ではないことが推奨されます。
    • すべての論文は、出版前に品質管理システム(ピアレビュー)を通過していなければなりません。
      • 査読プロセスの種類や詳細については、ウェブサイトに明記しなければなりません。
    • 剽窃チェックサービスの利用を推奨しますが、DOAJに掲載されるために必要ではありません。
    • ジャーナルの関係者による論文の掲載(endogeny)は最小限にとどめるべきです。
      • 著者のうち少なくとも1人が編集者、編集委員、査読者である掲載論文の割合は、最新2号において20%以下である必要があります。

    ライセンス

    • 公開されたコンテンツの利用・再利用の許諾条項がウェブサイト上に明記されていなければなりません。
    • DOAJでは、クリエイティブ・コモンズ・ライセンスの利用を推奨しています。
    • クリエイティブ・コモンズ・ライセンスを使用しない場合は、同様の条件を適用する必要があります。
      • この場合は、特に注意して条件を明確に述べなければなりません。
    • ライセンス情報を全文記事に表示または埋め込むことが推奨されますが、DOAJへの収録の必須条件ではありません。

    著作権

    • 公開されているコンテンツに適用される著作権条項は、明記する必要があり、またウェブサイトに適用される著作権条項とは区別されているものである必要があります。
    • 著作権条項は、ライセンス条項やオープンアクセスポリシーの条項と矛盾してはなりません。
      • “All rights reserved”(著作権者にあらゆる権利が留保される状態)はオープンアクセスコンテンツには決して適切ではありません。